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【共同研究成果】大麦摂取が腸内環境を介して免疫機能の向上につながる可能性を見出し、「第75回日本栄養・食糧学会大会」にて発表しました

腸内環境を適切にデザインすることで病気ゼロの実現を目指す株式会社メタジェン(本社:山形県鶴岡市、代表取締役社長CEO 福田真嗣。以下、「当社」)と、穀物のリーディングカンパニー株式会社はくばく(本社:山梨県中央市、代表取締役社長 長澤重俊。以下、「はくばく」)は、この度、共同研究により大麦がもたらす腸内環境の変動と免疫機能に与える影響について解析し、その研究成果を7月3〜4日に開催された「第75回日本栄養・食糧学会大会」にて発表しました。

研究の背景

腸には免疫機能に関わる細胞の約70%が存在すると見積もられ、それらの免疫細胞によって作られる「免疫グロブリンA(IgA)」抗体は、感染症予防に重要な働きを担っています。これまで、マウス試験においては大麦の摂取により腸内のIgA量の増加が報告されていましたが、ヒトによる効果は不明でした。そのため、当社とはくばくは、大麦摂取がヒト腸内環境に与える影響と免疫機能との関連を明らかにするため共同研究を実施しました。

▶︎腸内環境と免疫機能の関係についての解説ページはこちら

研究成果の概要

本共同研究では、当社の独自技術「メタボロゲノミクス®️」を駆使し、大麦の摂取がヒト腸内環境にもたらす影響について、当社サービス「MGPack™️」にて腸内細菌叢(腸内フローラ)と代謝物質(※1)、便中IgA量の観点から評価しました(※2)。今回の学会発表では特に、IgA量に関する免疫機能への影響に焦点を当てて発表しました。

本共同研究でわかったことは、大きく以下の3つです。

  • 大麦摂取を4週間継続すると、一部の被験者において便中IgA量が増加すること
  • 便中IgA量が増加した被験者では、大麦の摂取期間4週間において、腸内細菌のうち[Ruminococcus] gauvreauii group(ルミノコッカス ガウブレアウイイ グループ)やLachnospiraceae ND3007 group(ラクノスピラセアエ エヌ ディー サンゼロゼロナナ グループ)が増加すること
  • 大麦を4週間継続して摂取すると、腸内細菌のうちAnaerostipes(アナエロスティペス)が増加すること
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大麦摂取がヒト腸内環境に与える影響

今後の展望

本共同研究により、一部の被験者においては大麦摂取によりヒト腸内環境が変動し、IgA産生量が増加する可能性が示唆されました。IgA分泌量の増加は、様々な感染症予防につながると考えられます。そのため、大麦摂取によりIgA量が増加する人の腸内環境タイプを明らかにすることで、今後、大麦の健康効果を摂取した全員が得られるように腸内環境を事前に整える商品の開発や、個々人の腸内環境タイプに合わせた大麦の摂取方法の開発など、腸内環境を標的とした新たな健康維持・疾患予防法の開発・実用化が期待されます。

当社およびはくばくは、健康社会の実現に向け、これからも邁進してまいります。

(※1)代謝物質:腸内細菌が腸内で作り出す成分。代謝物質が腸管から吸収され全身を巡ることで健康効果をもたらしたり、逆に様々な病気につながったりすることが分かっています。
(※2)試験デザインは、二重盲検クロスオーバーのランダム化比較研究にて行いました。

学会発表要項

【学会概要】
名称:第75回日本栄養・食糧学会大会
日時:2021年7月3日(土)、4日(日)
参加方法:オンライン
HP:https://www2.aeplan.co.jp/jsfns2021/index.html

【タイトル】
大麦摂取がもたらす腸内環境変動とIgA産生への影響ークロスオーバーランダム化比較研究ー

【発表者】
松岡翼(株式会社はくばく)、西本悠一郎(株式会社メタジェン)、富樫友花(株式会社メタジェン)、小林敏樹(株式会社はくばく)、福田真嗣(株式会社メタジェン/慶應義塾大学/神奈川県立産業技術総合研究所/筑波大学)


【リリースに関するお問い合わせ先】
株式会社メタジェン
〒997-0052
山形県鶴岡市覚岸寺字水上246番地2
担当:齋藤
E-mail: info@metagen.co.jp
TEL:0235-64-0330